紅麹の身体への作用機序について

麹菌の健康効果をいろいろ調べていたら興味深い論文を見つけました。

それは
健康維持・補完代替医療素材としての紅麹
Red Koji (Red Mold Rice) for Complementary and Alternative Medicine as well as for Health Conditioning

というタイトルで、著者は、 総医研クリニック、西谷 真人氏とアサヒビール株式会社研究開発戦略部、稲垣 雅氏です。

この論文の「紅麹の有効性:機能性成分と生理作用」を引用します。

(ここから)
前述の「天工開物 巻下之三」に「普通に魚肉は最も腐り易いものであるが,これ(丹麹つまり紅麹)を薄く塗りつけると炎暑のなかでもその質を守ることができる。 日を経ても蛆や蝿が近づこうとしない.色と味はもとのままであり,まことに奇薬である。つくるには仙稲米を用い,それは早稲でも晩稲でもよい」との記述があり,これは紅麹には殺菌作用または静菌作用があり,魚肉の雑菌汚染による変敗を防止する効果がある,つまり抗菌活性をもった物質が含まれていることを物語る(蝿がわかないのは別の成分によるものと思われる)

紅麹を食品の保存に利用する習慣は現在も受け継がれており,台湾では豚肉,鶏肉等の漬込み保存のため,特に正月には一般家庭でよく見かけられる.近年の研究では,M.purpureusがBacillus,Streptococcusおよび
Pseudomonasの各属に抗菌活性をもつ物質を生産すると報告されている。

活性成分の少なくとも一部は色素(着色物質)のようである.

一方,李時珍の本草綱目第25 巻(1590 年)には紅麹の薬効について「紅麹主治消食活血,健脾燥胃.治赤白痢,下水穀.譲酒破血行薬勢,殺山嵐障気,治打撲傷損,治安人血気通乃産後悪血不盡…」と記述があり,すなわち,血行を良くし,消化をたすける等数々の効能が並べられている.

(中略)

1987 年以降,ロバスタチンや類縁化合物の修飾体は海外および日本の製薬会社から医薬品として販売されている.これらHMG-CoA 還元酵素阻害剤であるスタチン薬は,肝臓でのコレステロール生合成を低下させる結果,コレステロール恒常性維持のため肝臓でのLDL受容体発現が上昇し,血液から肝臓へのLDL-
コレステロールの取り込みが促進され,血液中のLDL-コレステロールを低下させる。

(ここまで)

出典:https://ci.nii.ac.jp/naid/130000129032

古来より食品の保存や健康維持のために使われてきた紅麹の作用機序が上記のように最先端の科学で解明されているということですね。